訪問看護ステーションに対して、自社のITツールや医療機器、人材サービスなどを提案したいと考えるBtoB企業は増えています。しかし、一般的な病院やクリニックと同じ感覚でアプローチを行うと、営業効率が低下しやすい傾向があります。
訪問看護ステーションの多くは、法令で定められた最低限の人員基準に沿って、少数のスタッフで運営されています。そのため、日中は管理者を含めた大半の看護師が利用者宅への訪問に出払っており、事務所が不在になりがちです。
代表番号に電話をかけても繋がらない、あるいは移動中の携帯電話に転送されてしまい、決裁者と落ち着いて会話をする機会を設けることが物理的に困難な環境にあります。
在宅医療のニーズ拡大に伴い、他業種からの新規参入も含めてステーションの開設が相次いでいます。一方で、慢性的な看護師不足などを理由に、休止や廃止に追い込まれる事業所も後を絶ちません。
市場の流動性が極めて激しいため、長期間更新されていない古い営業リストを使用すると、郵送DMの多くが「宛先不明」で返送されてしまい、印刷代や郵送コストの無駄につながります。
外観やホームページからだけでは、そのステーションがどのような方針で運営され、どの程度の投資余力があるのかを判別できません。そこで有効なのが、国に提出されている「届出情報(施設基準や加算の取得状況)」をターゲティングの指標として活用する手法です。
夜間や休日を含め、利用者からの緊急コールにいつでも対応できる体制を整えているステーションが取得する加算です。この届出がある事業所は、スタッフのオンコール(待機)負担が大きく、業務効率化への課題感が強い傾向にあります。
そのため、外出先からアクセスできるクラウド型電子カルテや、シフト管理システム、夜間の一次受けを代行するサービスなどの提案が響きやすいターゲットといえます。
人工呼吸器の装着や悪性腫瘍の末期など、重症度が高く高度な医療的ケアが必要な利用者を受け入れている事業所が対象となります。日々の訪問において専門的な医療処置が行われるため、高度な医療機器や専門的な衛生材料、あるいは特定の疾患に特化した看護研修サービスなどを提案する際の有力な指標になります。
訪問看護ステーションには、看護師だけでなく、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)といったリハビリテーション専門職が在籍しているケースがあります。リハビリスタッフの在籍数が多い事業所に的を絞ることで、リハビリ専用の評価ツールや専用機器、採用支援サービスなどの成約率を高めることが期待できます。
訪問看護ステーションへのアプローチを成功させるためには、リストの選定基準を見直すことが重要です。
単に事業所の名称と電話番号だけが羅列されたリストに対し、手当たり次第にアプローチを行う手法は、架電工数や郵送コストに見合った成果を得にくいのが実情です。相手の運営規模や注力領域が見えないまま営業をかけることは、貴重なリソースの浪費につながりかねません。
自社商材のニーズがどこにあるのかを的確に捉えるためには、定期的に更新される最新の「人員体制」や「加算の届出状況」が網羅されたデータベースの導入が有効です。
表面的な基本情報だけでなく、事業所の内部事情を推測できる高精度なデータを活用し、自社に合うターゲットを抽出することが、営業活動の投資対効果(ROI)を高めるための第一歩となります。